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COLUMN
コラム

2025/09/09

フランチャイズ化で失敗する本部の特徴

近年、多くの企業が成長戦略の一環として「フランチャイズ化」に取り組んでいます。自社の成功モデルを加盟店に提供し、スピーディーに事業拡大を図れる点は大きな魅力です。しかし実際には、フランチャイズ化を試みても失敗し、短期間で撤退してしまう本部も少なくありません。では、フランチャイズ化に失敗する本部にはどのような特徴があるのでしょうか。代表的なポイントを整理してみましょう。

1. ビジネスモデルが確立していない

フランチャイズ化の前提は、「誰がやっても一定の成果が出る仕組みがあること」です。ところが、まだ自社の店舗運営が属人的に成り立っている段階でフランチャイズ展開に走ってしまうケースがあります。
「オーナーや特定の店長だから成り立っているビジネス」は、マニュアルや教育プログラムに落とし込めなければ加盟店では再現できません。再現性のないモデルを無理に展開すると、加盟店が結果を出せず、早期離脱やトラブルにつながります。

2. 加盟店視点が欠けている

フランチャイズ本部は、加盟店に「この仕組みに参加するメリットがある」と思わせなければなりません。しかし失敗する本部の多くは、自社の利益ばかりを優先し、加盟店の収益性や負担を軽視する傾向があります。
加盟金やロイヤリティを高く設定する一方で、十分なサポートを提供しない、あるいは広告や販促支援が不十分といった事例は典型です。加盟店の立場に立った収益モデルを設計できないと、不満が蓄積し、結果として加盟店離れが起こります。

3. サポート体制の不備

フランチャイズに加盟するオーナーは、必ずしもその業界の経験者とは限りません。むしろ未経験の人が参入するケースが多いのが実情です。そのため、本部の教育・研修・運営サポートは極めて重要です。
ところが失敗する本部は、研修期間が短すぎる、運営マニュアルが整備されていない、現場フォローがほとんどないなど、サポート体制に大きな穴があります。「加盟後は自己責任」といった姿勢では、オーナーは孤立し、ビジネスを軌道に乗せられません。

4. 加盟店とのコミュニケーション不足

本部と加盟店の関係は「パートナーシップ」であり、上下関係だけでは成り立ちません。ところが、失敗する本部は一方的にルールを押し付けたり、加盟店の声を聞かない傾向があります。
加盟店は現場の最前線で顧客と接しており、改善点や市場の変化を肌で感じています。本部がその声を無視すれば、現場との温度差が広がり、不信感や対立につながります。長期的にフランチャイズ網を維持するためには、コミュニケーションを通じて相互の信頼関係を築くことが不可欠です。

5. ブランド力や差別化が弱い

フランチャイズに加盟する最大の動機の一つは「ブランドの力を借りられる」ことです。知名度があり、独自の強みを持つブランドだからこそ加盟店は投資を決断します。
ところが、本部が十分なブランド価値を築けていない場合、加盟店は集客に苦労し、結局は自力で顧客を獲得しなければならなくなります。また、競合との差別化が弱ければ、価格競争に巻き込まれやすく、加盟店の収益は低下します。ブランド育成や差別化戦略を軽視することは、フランチャイズ失敗の大きな要因です。

6. 拡大スピードを優先しすぎる

「加盟店を早く増やして売上を拡大したい」と考える本部は多いですが、拙速な展開はリスクが高いものです。
サポート体制や教育プログラムが整う前に加盟募集を加速させると、対応しきれないオーナーが続出し、クレームや撤退が相次ぎます。最終的にはブランド全体の信頼を損ない、加盟希望者が激減する結果に。健全な成長には、足元を固めながら段階的に拡大するバランス感覚が求められます。

まとめ

フランチャイズ化は、ビジネスを加速させる非常に有効な手段ですが、その分リスクも大きい挑戦です。失敗する本部の特徴を整理すると、

  • ビジネスモデルの再現性不足
  • 加盟店視点の欠如
  • サポート体制の不備
  • コミュニケーション不足
  • ブランド力の弱さ
  • 拡大スピードの優先

といった点が浮かび上がります。

フランチャイズ本部を目指す企業は、まず自社のモデルを客観的に検証し、加盟店が本当に成功できる仕組みを整備することが重要です。短期的な収益よりも、長期的な信頼とブランド価値を積み重ねる視点を持つことが、フランチャイズ成功への近道と言えるでしょう。

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